えひめ資料室 ブックリスト4
河野氏
(内容;2009年6月)
○伊予国の豪族、河野氏は古代末に武士化して東予・中予の実権を握り、南北朝時代以降大名として活動しました。
○ご案内の図書は、4階えひめ資料室内で請求記号順に並べています。ご自由にご覧ください。
○借り出し中または書庫に入っている場合もあります。見つけられない時はお気軽に係員におたずねください。
○愛媛県内居住の方(乳幼児以上)、帰省先が愛媛県内の学生の方は、当館の資料を借り出すことができます。
○資料は、5冊・3週間、借出できます。
○一部、借り出しができないものがあります。
○当館の資料に限り、著作権法の範囲内でコピーできます。
○一部コピーできない資料があります。
- 基本書
(1)予章記
応永元(1394)年に河野通義が逝去して間もなく同家で編集されたもの。同家歴代の事績を通義の逝去に至るまで編年体で記述。
通清・通信父子が活躍した平安末期以前の記述については荒唐無稽の記事が多く、検討を要するため、その取扱には十分な注意が必要であるが、河野氏研究には欠かせない史料である。
- A)伊予史談会編 愛媛県教科図書発行 (伊予史談会双書第5集) 2008年改訂3版 請求記号:K288.3−コウ−2008
- 古写本の系統と思われる故長山源雄氏の筆写本(高野山・上蔵院所蔵)と、流布本(西条市北条・長福寺所蔵)を載録し、併せて、「水里玄義」、「河野分限録」、「水里【そ】録」を収録。
- ・水里玄義…河野教通(1500年没)の晩年に、同家に伝わる秘説を収録。河野氏の縁由を編述
- ・河野分限録…戦国末期における河野氏に属する武将の氏名・居城名・所属の家臣名および騎数を列記。
- ・水里【そ】録…河野氏の分流正岡家の由緒を編集。
-
- B)伊予史談会[写] 請求記号:伊予史談会文庫ト−95−2(書庫)
- 山之井本と呼ばれる異本。伊予史談会が所蔵する写本で「道後文化史料」に収録。コピーは許可制。
-
- C)経済雑誌社発行(群書類従第十三輯)1900年 請求記号:081−23−13(書庫)
-
- 「群書類従巻396 豫章記」を活字化したもの。長福寺所蔵の流布本の系統。
-
(2)河野家譜築山本 改訂3版 景浦 勉編 伊予史料集成刊行会発行 1984年 請求記号:K288.3−コウ−1984
河野氏の没落後に本系を継いだ安芸国竹原の築山家において、家伝の古文書や河野氏旧家臣が収蔵していた記録や、同家に語り継がれた伝承等を基礎として編集したもの。河野氏の盛衰を歴代の統率者ごとに事績を中心として記している。
(3)予陽河野家譜
- 編者不明。河野氏の始祖伊予皇子から第56代の河野通直に至るまで、歴代の事績を叙述している。「河野家譜築山本」が系譜関係に重点をおいて記事が簡略なのに対して、叙述が豊富で物語的性格がある。
- A)景浦 勉校訂 歴史図書社発行 1980年 請求記号:K288.3−コウ−1980
- 河野氏の没落後に本系を継いだ安芸国竹原の築山家において、家伝の古文書や河野氏旧家臣が収蔵していた記録や、同家に語り継がれた伝承等を基礎として編集したもの。河野氏の盛衰を歴代の統率者ごとに事績を中心として記している。
- B)戒能申脩訓読・発行 1972年請求記号:K288.3−コウ−1972(全6冊)
原本の漢文を訓読し、原稿用紙に自筆したものをコピー・製本している。
C)宮脇通赫編 1924年 請求記号:K290−7−ゾク(『続伊予温故録』に収録)
-
- 解説書、関連書
(4)善応寺文書 改訂3版 (伊予史料集成第2巻) 景浦 勉編 伊予史料集成刊行会発行 1985年 請求記号:K208−13−2
- ◎善応寺は建武年間(1334〜1336年)に河野通盛によって創建された臨済宗の名刹。所蔵文書は同寺に対する寄進状や禁制など、ほとんどが河野氏に関係しており、単に善応寺の消長を知るばかりでなく、中世における河野氏を研究するうえで重要なもののひとつ。
解説篇では河野氏の出自と同氏の鎌倉までの動静を記述。
なお、本書と以下(5)、(6)に挙げた図書各巻の解説篇で河野氏の興亡について記述している。
(5)河野家文書 改訂5版 (伊予史料集成第3巻) 景浦 勉編 伊予史料集成刊行会発行 1989年 請求記号:K208−13−3
◎「予章記」、「河野家譜築山本」、「予陽河野家譜」、「後鑑」等に載録されている河野家関係文書をもとにして、旧家・古社寺等に伝わる文書類を加えて編集したもの。
解説篇では南北朝時代から応仁・文明の乱に至るまでの河野家の活躍を記述。
(6)大山積神社関係文書 改訂版 (伊予史料集成第5巻) 景浦 勉編 伊予史料集成刊行会発行 1988年 請求記号:K208−13−5
◎解説篇で応仁・文明の乱終息以後の河野氏の衰亡を記述。
(7)河野氏の研究 景浦 勉著 伊予史料集成刊行会発行 1991年 請求記号:K288.3−コウ−1991
◎上記(4)、(5)、(6)の解説篇を補正し、河野氏の事績を記述。また「予章記」、「河野家譜築山本」、「予陽河野家譜」についても上記(1)、(2)、(3)の解説を補正し記述。
(8)河野村史 景浦 勉著 河野公民館発行 1954年 請求記号:K233−1
◎河野村の前身は風早郡河野郷とも考えられている。この地に居住して伊予の豪族としての地盤を作り上げた河野氏の出自や祭祀した氏神との関係、伊予における分布、源氏との関わり等について記述。
(9)予陽河野盛衰記(河野軍記)
◎河野氏の盛衰を描いた全16巻からなる軍記物語。「予章記」ほかの多くの資料を元にするとともに、伊予に関わる様々な伝承も収録されている。さまざまな書名のものがある。
A)西園寺源透[写本] 1913年請求記号:K231−4(全5冊。2巻までコピー版あり)
書名は 河野軍記 豫陽盛衰記
元の出版事項 豫陽河野盛衰記 重見右門著 1740(元文5)年
B)重見右門著 浪華書肆 1747(延亭4)年 請求記号:K231−26(全18冊。コピー版あり)
表紙の書名は 予州河野軍記
コピー版の書名は 予陽河野盛衰記
C)愛媛県越智郡社会科同好会編 愛媛県教育研究協議会 1969年 請求記号:K208−17
書名は 与陽盛衰記 予章
元文5年京都書房版を訓読し、活字化したもの。A、Bは漢文のみだが、本書は随所にふりがなが付いているため、参考になる。